1.インターネットの2000年から伸び

 日本のことわざで「風が吹けば桶屋が儲かる」が有りますが、インターネットと宅配便の関係は感の良い人は分かるのでは無いかと思います。自分もインターネットを利用しているので、興味が沸いたので、ここで記したいと思います。インターネットの技術の歴史は1960年のパケット通信の論文から始まり、パケット通信は1973年のTCP/IPで統合され、次いで1980年のハイパーテキストデータベースシステムのWorld Wide Webを主軸に現代までインターネットは発達してきた。そして、2000年を境にパケット通信の速度が変革を見る事に成る。1995年ISDN回線による電話サービスで一つの電話番号に2回線まで持つ事が出来、通信速度は64Kbpsに代わり、1999年にADSL回線の登場で在る。ADSL回線は既存の電話回線を利用するが、音声電話に使用しない高い周波数を利用することで、高速のデータ通信で速度は8Mbps(ISDNの1,000倍)の登場によりインターネットの世帯・個人に普及した。そして、2003年には光回線のFTTHが登場し、当初は下り公称帯域10Mbpsで開始された。幹線の速度が100Mbpsにその後強化され、2010年代には幹線の速度が1Gbpsとなった。下記は総務省の「インターネットの普及率の推移」の図を見ると2000年を境にインターネットの普及が右肩あたりに急激に伸びている事が分かる。更に、拍車を掛けたのが、2000年の「Google」が日本語による検索サービスを開始と2004年に日本におけるSNSの誕生「mixi」、「Amebaブログ」、「GREE」がサービスを開始。そして、更に2005年に動画共有サイト「YouTube」がサービスを開始がある。

図1.日本のインターネットの普及率の推移

 下記の図は、総務省の平成29年 情報通信白書の節で「データ通信量の爆発的拡大」である。左が図がブロードバンド、右が移動体通信のトラヒック(通信回線上での一定時間のデータ量)。ブロードバンドは光回線の幹線の速度が1Gbpsの登場した2010年から急激に総ダウロードトラヒック伸び、2014年に年率10%以上の比率で伸びでいる。右は図は移動体通信のトラヒック、3G(第3世代移動通信システム)の普及が確立した2010年を境に右肩上がりで在る。現在は、4G(第四世代移動通信システム)が定着している。そして、4Gの3倍の6GHzを超えた周波数の帯域を使って、新しい無線通信方式を導入する5G(第5世代移動通信システム)は、色々と話題になり、問題点も有るが普及が開始され移動体通信は益々トラヒックが伸びる事だろう。

図2.日本のトラヒックの推移(左:ブロードバンド、右:移動体通信)

 同、情報通信白書から下記の図は「世界のトラヒックの推移及び予想(トラヒック種別)」で示しているが、固定インターネットの伸びの比率が高い事が分かる。その原因に考えられるのが、その次の下記の図「世界の動画配信市場規模・契約数の数位及び予測」で、2014年代に動画配信市場(VOD)は、定額制以外と定額制(SVOD)の売り上げは、58.8億ドルと70.5億ドルと拮抗していたが、2015年度から開き始め2017年に定額制以外は一端落ち込み、定額制(SVOD)との開きは歴然としている。日本映像ソフト協会の調査によると動画レンタルサービスと動画配信定額制(SVOD)は、2013年に動画レンタルサービスが2,184億円に対して動画配信定額制(SVOD)597億円で開きが在ったが2017年には動画レンタルサービスが1,659億円、動画配信定額制(SVOD)が1,510億円と拮抗する形で、動画レンタルサービスの市場を動画配信定額制(SVOD)が奪っている。続いて述べると、上の図2。日本のトラヒックの推移からブロードバンドでの2014年のトラヒック量の伸びが急激で在る事は、動画配信定額制(SVOD)の需要が高まりトラヒックの高い動画再生が関係している様で在る。

 今後、インターネットの技術はIoT(物とインターネット)により、インターネットが物(電子機器等)と接続される事。又、遅延耐性ネットワーク (DTN)でIP技術以外のシステムにもネットワークが接続でき、そのネットワークは宇宙まで広がりを見せている。

図3.世界のトラヒックの推移及び予測(トラヒック種別)

図4.世界の動画配信市場規模・契約数の数位及び予測

2.インターネットショッピング

 2000年の世帯・個人のインターネットの普及を受けて、流通経路にも変化が見られ総務省の平成29年版の情報通信白書を見る2016年では世帯の2人に1人のネットショッピングを利用している。2002年には5.3%の世帯が利用していたが、2016年には6倍近い世帯27.8%が利用している。金額も2002年には21,102円が2016年には30,678円の30%近い利用金額で伸びてきている。

図1.日本のネットショッピングの利用世帯の割合と1世帯当たりの支出の推移

 下記の図2は日本貿易振興機構(ジェトロ)の2017年版「ジェトロ世界貿易投資報告」の9章の「電子商取引市場の将来(1)市場と企業」で世界の電子商取引市場(インターネットショッピング)の「主要国の企業対消費者取引の取引額の取引額と試乗シェア」である主要国の中で人口が多い中国が米国を抜いて1番で在り、世界的に見てアマゾンが主要国の中で一番のシェアを誇っているが、中国では苦戦している様である。日本を見るとアマゾンと楽天が拮抗している。

図2.主要国の企業対消費者取引の取引額と市場シェア

3.宅配便の需要と再配達損失

 上の節1.2で2000年からインターネットの経緯とネットショッピングの推移を見てきたが、ネットショッピングでの世帯・個人に普及する事で宅配便の需要も伸びてきた。下記の図は国土交通省の「平成29年度宅配便取扱実績関係資料」の図1.宅配便取扱個数の推移で在る。ADSLが普及した平成12年(1999年)に宅配便取扱個数が23億個に対して、平成30年度(2018年)は2倍近い42億個である。1999年にはネットショッピング(ECサイト,通販サイト)のアマゾンと楽天が設立し2000年にはサイトを運営する事になる。やはり2000年からのインターネットの技術革新が在り、Amazonや楽天のネットショッピングの企業の立ち上げは、インターネットが一般世帯に普及する言うビジネスでの先見性が在ったのだろう。それは、輸送手段の宅配便に与えた影響は計り知れない。

図1.宅配便取扱個数の推移

 日本経済新聞のマーケットの陸運の売上高ランキングで1位から29位までの合計の売上高は9.1兆円である。1位から3位まで兆円規模の売上を誇り、4位からは数千億規模で在る。それぞれ示すと、1位が宅配便の「ペリカン便」を辞めた日本通運で約2兆円、2位はヤマトホールディングスで1.5兆円、3位がSGホールディングス(佐川急便グループ)で1兆円、4位が日立物流で7千億円である。下記の図1は国土交通省が実施した宅配便の再配達率の調査で2018年の平成30年では、前年度比では下がっている物の15%と結果が出ている。宅は便の再配達は、大きな社会問題で在る環境問題でのCO2排出量の環境に与える影響、陸運でのドライバ不足等、トラック等の企業に与える設備投資での損失等が挙げられる。下の図2の平成30年度の再配達率の15%を踏まえて宅配便の再配達損失を算出すると、平成30年度の宅配便の総数は42億個で、再配達にかかる人件費を時給千円として20分で1個の配達が掛かるとした場合は333円である。再配達損失額は少なく見積もって下記の様になる。

42億(平成29年度再配達個数)X333X0.15=2,097千億円

 この損失額は陸運での売り上げランキング29位のヒガシトゥエンティワン、2,089千億円と並んでいる。この配達損失額は人件費だけで、設備投資であるトラック、経費のガソリン代、環境問題でのCO2の排出量の外部コストが上乗せさせる。下記の図3は国土交通省が調査した2017年度の宅配便市場シェアである。1位ヤマト運送、2位佐川急便、3位日本郵便が宅配便シェアを占めている。この損失額は各社、営業利益に影響を与えている事だろう。宅配便の再配達は、大きな社会問題で在るが、国土交通省は、その応急措置として自宅以外に宅配便が受取れる宅配ボックス設置を促し、2018年9月に中央省庁では初めて霞ヶ関の庁舎に宅配ボックスを設置した。宅配ボックスには利点は大きい宅配便以外の食料品やクリーニングの衣服などの配達も可能で在る。でも問題点が無い分けでは無い、長期不在の場合や、盗難などの問題点が挙げられる。陸運での宅配便の再配達の問題は新しいイノベーションの可能性が在るかもしれない。

図2.宅配便の再配達率

図3.2017年度の宅配便市場シェア

 

 

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